私の心情(65)―地方都市移住17-2021年も人気は札幌、那覇、京都、横浜

1年半ぶりに地方都市移住アンケート調査を行いました。正直なところ、今回の調査は欲張りすぎたことから十分な成果が出たのかどうかわかりません。でもやっぱり「移住は生活コストの削減をしっかり見据えて行うべき」という結論を裏付けるものだったと思います。そのポイントを何回かに分けてブログで紹介します。

2つの視点でアンケート調査を実施

今回のアンケートでは60代の方4000人強にご回答をいただきました。アンケートでは、大きく視点を2つに分けていて、1つは、前回同様に、現在東京、大阪、名古屋に住んでいて、移住を検討している人、検討したがあきらめた人、移住を全く検討していない人、そして実際に過去10年のうちに移住をした人の4グループを作りました。このグループに入る人の合計は2305人。

もう一つは今回初めて行ったのですが、3大都市以外に住んでいる60代の方で、人口30万人以上の都市に長く住んでいる1700人、30万以上の都市に住んでいて3大都市から移住してきた129人、他の地方都市から移住してきた135人、そして人口30万未満都市に住んで3大都市から移住してきた140人です。このグループは、第2弾のレポートで紹介しますが、都市の規模での比較と長年在住している人と移住してきた人の比較などができそうです。

まずは3大都市居住者を対象にした分析からです。

人気の移住先は100万人都市

3大都市に住んでいて現在移住を検討中の人、検討したけどあきらめた401人の移住検討先リストは2019年(1122人)とほとんど変わりませんでした。人口が100万人以上の都市、札幌、京都、横浜、仙台、福岡、神戸が常連です。そのほかでは、那覇市、堺市、長野市といった30万人以上の都市が挙がっています。

個人的には、人口100万人以上の都市に移住して本当に移住によるコストダウンは成功しているのでしょうか。詳細は、次のブログで書く予定ですが、地方都市移住が良かったか、悪かったかを評価する最大のポイントは生活コストの削減ですから、その移住先もあまり変わらない物価水準であったり、住居費水準であれば、移住する効果はあまりないように思います。

地方都市移住+勤労+資産運用

移住と長く働くことと資産運用の関係を知りたいと思ってアンケート調査をやっていますが、なかなかすっきりとした回答は得られないものです。ただ、3大都市に居住している60代で、移住を検討する人は平均的に世帯年収が高い傾向があります。特にまだ企業に勤めていたり、公務員であったり、自営業者であったりと、3大都市ならでは就業状況がもたらしていることが影響しています。それに伴って、資産運用を行っている人は過半数を超え、過去に投資をしていた人まで加えると実に4分の3の人が投資経験を有しているわけです。地方移住を検討している人は、勤労、資産運用でも積極的な姿勢が窺えます。