私の心情(6)-ダウンサイジング➡地方都市移住
退職後の生活を考える際に、よくご案内している等式は
退職後年収(生活をカバーする年間生活費)=勤労収入+年金収入+資産収入
です。この中で生活費を抑えて退職後の年収を少なくて済むようにすること、すなわち生活のダウンサイジングは、資産収入の比率を下げることにつながり、資産寿命を延ばすことになります。私は子どもたちが生活を一緒にしていたときは東京の多摩地区に4LDKの大きなマンションに住んでいました。18年間、通勤には片道1時間30分ほどかかりましたから、18年間で通勤に1万800時間を割いたことになります。450日間です。今考えるとよく通勤したなって思います。
しかし、子どもたちが独立した今は夫婦2人の生活ですので、2LDKのマンションに引っ越しました。年齢的にも1時間30分の通勤は厳しいですし、都心に近いところに引っ越したことでゆとりもできました。それに何より、生活のダウンサイジングが可能になります。住宅ローンは一気に減らすことができましたし、車を手放すことができました。これはコストダウンとしては大きなことでした。
さらにもうひとつこの先のダウンサイジングとしては、地方都市に移住することも残っています。私のセミナーなどをお聞きになられたり、書作をお読みになると、いつも四国の松山市が移住先に良いと書いていることをご存知でしょう。最近確認した統計では、家賃が東京を100にすると松山は40で済むことがわかりました。これは大きなコストダウンです。米国では、こうした退職後の移住は、いわゆるリタイアメント・コミュニティーへの移住ということで「お金持ちのライフスタイル」といわれますが、日本では生活のダウンサイジングとして重要な手段になるのではないかと考えています。
11月に地方都市移住のアンケート調査をフィンウェル研究所として初めて行いました。高かった!でも面白い知見がきっと見つかるはずです。このコラムを通じて、これから折々に分析結果を報告させていただきます。ご期待ください。