私の心情(43)―お金との向き合い方11-見映えで始めたLLC
私の心情(43)―お金との向き合い方11-見映えで始めたLLC
いいかげんな起業の決意
令和のスタートともに、定年後の人生が始まりました。「複業」としての合同会社フィンウェル研究所のスタートです。ただ、複業のためにしっかり準備をしてきたかというと、お恥ずかしい話ですが、定年直前まで起業は全く考えていませんでした。
継続雇用の議論が始まったのは、定年の1年くらい前で、週3日働くというのが決まったのは半年くらい前だったでしょうか。その時は個人事業主としてやってく程度のつもり、いや「個人事業主って何?」って程度の理解でした。「会社を立ち上げる」と言っても、「どうすればいいのか」、「そもそも自分が作るとしたらどんな会社があるのか」、「まさか株式会社を作るってわけじゃないし」といった、自分でいうのもなんですが、まあなかなか厄介な水準からのスタートでした。
定年を迎える半年くらい前だったと思います。知人の税理士に「会社を作りたいんだけど助けてくれる?」って相談に行きましたが、なかなか要領を得ませんでした。というのも私が何も決めていない段階で、「何したらいいの?」って程度で聞きに行ったからでしょう。要領を得なかったのは税理士ではなく私だったのです。
腹を括る
ウダウダしているうちに時間だけは過ぎていきます。当時はまだサラリーマン生活をしていたわけですから、それほど起業に時間を割くことはできません。ということで友人に勧められるまま、ノウハウ本を数冊買い込んでも“積んどく”が続きました。
金融庁の金融審議会市場ワーキンググループの委員になったのが2018年秋のことです。重責だなという思いと、ちょっと晴れがましいという思いとが交錯していましたが、そのなかで金融庁の若手から「運用会社の社員がそれを監督する金融庁のワーキンググループの委員というのは如何なものか?」との声もあったと聞いてしまいました。自分では、そんなバイアスはかかっていないつもりでしたが、やはりという思いもありました。これでやっぱり会社を創ろうという気持ちになりました。
見映えで合同会社に
さてノウハウ本を読んでいくうちに痛感したのは、自分のやりたいことがはっきりしないうちは何も見えてこない、ということでした。当たり前なんですが、何しろ会社を興そうとすれば「定款」が必要で、そこに書き込むのはやはり「何をやりたいか」になるわけですから。しかも継続雇用で続けている会社と新しい会社、2つの仕事の棲み分けをどうするかも必要になります。といってやっている自分はどちらも同じ野尻哲史ですし。
そこで改めて思ったのが、合同会社フィンウェル研究所では、資産運用にとどまらない定年後のお金との向き合い方を、自分事として「同時進行で」伝えていくことでした。自分の失敗も成功も、自分事として伝えていく。そのためにFacebook、Twitter、LinkedIn、Instagram といったSNSはもちろん使い、新たにフィンウェル研究所のHomepageも立ち上げていこうと思いました。
あとは株式会社にするのか、合同会社にするのかを決めるだけ。ちょっとお恥ずかしい話ですが、合同会社にした理由は「LLC」という表現に惹かれたからなんです。会社の形態も大切ですが、FinWell Research LLCという見栄えが気に入ってしまいました。なので、日本語では「合同会社」なのです。といいながら、実はLLCって、使っているうちにLCC、LLP、なんだかわかんなくなった時もありましたが。