私の心情(37)―お金との向き合い方9-資産運用アドバイスに対価を払うには

求む! スマホ・アドバイザー;資産運用アドバイスに対価を払うには

 サービスにフィーを払わないのは国民性の違い?!

最近、英国IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)のお話をする機会が多くあります。このコラムでもIFAに関するコメントを書いて、IFAビジネスが日本でも広がって欲しいと思っているのですが、「欧米と違って、日本では資産運用などのアドバイス・サービスにお金を払ってくれる人は多くないだろう」という否定的な意見も多くあります。確かに日本では「サービス」という言葉は、「無料」と同じ意味でつかわれることも多く、そうしたサービスにはお金は払わないだろうということです。その結果、海外で成り立つアドバイス・ビジネスが日本では難しいのは「国民性の違いだろう」と結論づけられてしまっているようです。私にはそうは思えないのですが。

スマホのアドバイザーが欲しいな

ところで最近、私はスマホの通信料が高いと気にしていて一度誰かにアドバイスをして欲しいと思っています。auを使っているのですが、夫婦と実家の親の3台分を私の口座から引き落とすようにしていて、毎月2万円ほど支払っています。今のサービス内容と料金が適切なのか、何か他に良い方法はあるのか、キャリアは今のままでいいのか、などアドバイスがあればそれに対して料金を払ってもいいと思っています。

本来は通信キャリアがアドバイスをしてくれてもいいのですが、他のキャリアとの比較はできないでしょうし、本当に中立的なのか私が疑ってしまいがちです。だとすればキャリアとは関係のないアドバイザーが、私のためにアドバイスしてくれるのはありがたいと思います。

サービスと対価の関係の明確化

もし私のようにスマホの契約見直しにアドバイス料を払ってもいいと考える人が多いのであれば、一概に「サービスにお金は払わないのは日本の国民性」と言い切らない方が良いのではないかと思います。

スマホの契約見直しアドバイスと資産運用アドバイスの、どこにその違いがあるのでしょうか。

スマホの契約見直しアドバイスは、安く価値のあるサービスはどれかを探すかという、いわば単品のサービで、それによって毎月の通信費が安くなるといった効果が、比較的短期に目に見えることが特徴です。そのためサービスとその対価の関係がわかりやすい。これに対して、資産運用アドバイスの場合には、ライフプランの作成、ゴールの設定、ポートフォリオの構築、その後のフォローなどいろいろな要素が含まれていて、その効果は何年も先になる場合があるため、費用対効果がつながりにくいという違いがあります。

もちろん、資産運用サービスはその性格上、効用がわかるまでの時期を簡単に短くすることはできません。しかし、資産運用アドバイスに含まれる各種サービスを、その対価を明確にして「見える化」すれば、受け入れ易いものにならないでしょうか。複雑であるほど必要性が見えにくくなるために、資産運用アドバイスにお金を払う理由が見つからなくなっているだけなのかも知れません。サービスに対する対価の明確化は、思った以上に大事なことかもしれません。