私の心情(249)―お金との向き合い方85―子ども向け:夢をかなえる株式投資

ワークショップ、夢を実現するためのお金の仕組み

小学生にお金の話をすることは、私にはとても難しいことだと思っています。それでも、やらないわけにはいかない状況に追い込まれ、苦悩の末、本番を迎えました。私の話の中身はともかく、半日の間に変わっていく子どもたちの姿に心躍りました。ブログで紹介するには恥ずかしすぎますが、内容を改善するためにも批判的な視点も含めて読んでいただけると、うれしいところです。

7月27日に静岡市の「ふじのくに2024 子ども芸術大学」で行ったワークショップ「夢を実現するためのお金の仕組み-ワークショップ形式で夢をつなぐお金のチカラ」を考えてみよう」を私を含む3人で担当しました。参加者は、小学校高学年から中学生の20人ほど。

13時30分から3時間30分のセッションを3つに分けて、第一部を私が「自分のなりたいものや自分のやりたいこととお金の関係を考えてみるー手伝ってくれる人、支えてくれる人、応援してくれる人への感謝を伝える」としてお話をしました。

第2部は、実際にハリウッドで映画プロデューサーになる夢を叶えたプロデューサー福原秀巳さんに、トム・クルーズ主演のオール・ユー・ニード・イズ・キルの完成までの話を聞きました。ポイントは、「自分を助けてくれる1人をまず見つける」でした。そして最後は、東京証券取引所の金融リテラシーサポート部の森元憲介さんに主導していただき、「4人のチームでそれぞれが役割を持ってお菓子の会社を企画して、プレゼンを行い、参加者各自の持ち金100万円を自分以外のチームの中から選んで出資する」というワークショップを行っていただきました。

多彩な子どもたち

このなかから30分間の私のセッションの内容を紹介します。

参加者への宿題として、「なりたいもの、やりたいこと」をそれぞれに書いていただきました。薬剤師、プログラマー、YouTuber、医者、貧困問題を解決する仕事、漫画家、ファシリティドッグのハンドラーなどなど、なかなか意識の高い子どもさんが多くて驚きました。ただ、セッションを始めてみると、マイクを持ってもうつむいたまま何も話せない子どもさん、どんどん手を上げて質問をする子どもさん、いやはや多様な個性が集まっているという第一印象でした。

20人全員に各自の夢を一言ずつ紹介してもらったあと、数人の子どもさんに「どうしたらその夢は実現できると思いますか?」と聞きました。その夢を実現するために、一緒に手伝ってくれる人がいる、手伝えないけど支えてくれる人がいる、応援するよって言ってくれる人がいる、そんな人を思い出していただこうという思いです。また「何のためにその夢をかなえたいですか?」とも聞きました。地元に観光客を増やしたいから、障害者の支援をしたいから、かっこよくて人に感謝されるから、といった声がありました。

手伝ってくれる人、支えてくれる人、応援してくれる人

例えば、大谷選手のようなメジャーリーグで活躍できる選手になるためにはたくさん練習する必要があります。チームメンバーとなって「手伝ってくれる人」、遠征のためのバスを運転してくれる運転手さんのような「支えてくれる人」、毎日お弁当を作ってくれたり試合の時には「応援してくれる家族」、そんな人たちの力をもらって、自分の夢、やりたいこと、なりたいことを叶えることができたら、そこには感謝の言葉「ありがとう」が生まれます。

支えてくれる人への感謝

長く支えてもらうためには、お金の力が必要になると思いませんか?と問いかけます。バスの運転手さんが支え続けてくれるには資金が必要です。支えてくれてありがとうの気持ちをお金で表すことになります。とはいえ何となく「感謝の気持ちをお金に変えるのはどうなんだろう?」と疑問に思う人もいるはずです。

そこで、ちょっと目線を変えてみます。「皆さん」と「誰か」の位置が逆になったら、どう感じるでしょうか。誰かの夢を叶えるのに、皆さんの力が必要だとすれば、その感謝の気持ちがお金で表されることに何か違った感情が生まれませんか。

自分の夢が誰かの夢を支えるとしたら

また皆さんの夢を叶えるのは何のためかを考えてみてください。皆さんの夢が何かに貢献したい、誰かのために役立ちたいということは、皆さんの夢そのものが、誰かの夢を実現するための支える力になっているかもしれません。地元に観光客を増やすことで地元の人たちが豊かになる、支援をすることで障害者の人たちが楽しく生活できるようになること、お金のチカラが実現の橋渡しをしてくれるはずです。さらにそうした思いをお金に託して、夢を実現するための支援の力に変えることもできます。

お金は夢の橋渡し役

お金は、夢をかなえたい人が支えてくれる人たちにありがとうの気持ちを伝える力でもあり、夢を実現しようとする人たちの支えの力にもなる、大切な橋渡し役になります。

ワークショップでは、夢を叶える立場とそれを支える立場から投資を実行

私も一緒になって、最後のワークショップでは、①グループごとに地元の食材を使ったお菓子の会社を考える、②その概要とお菓子を買ってもらいたい人を想定し、③その会社が上げた利益でどんな社会貢献をしたいか、を競っていただきました。夢を叶えるためのチームワークと、何のためにその夢を実現したいかをちょっとだけ考えてもらいます。

さらに子どもたち20人とわれわれ大人3人がそれぞれ模擬100万円を、“自分たち以外の会社”に投資することを通じて、支える立場になったときに何を考えて選ぶだろうかとちょっとだけ考えていただけたと思います。

私の最初のセッションが最後のワークショップに繋がることを念じて。