私の心情(23)―資産活用アドバイス1-Decumulationとファイナンシャル・アドバイス
Decumulationとフィナンシャル・アドバイス
資産形成にロボアド
ロボットアドバイザーというサービスが登場してきた時、本当に驚きました。これが資産形成を変えるかもしれないと思ったのです。確かに変えました。多くの若者がロボットアドバイザーを使ったスキームの証券口座を開設しましたし、いつの間にか“ロボアド”という言葉の定着とともに、スマホで決済できる証券口座、ポイントを使った証券投資など、その裾野を広げていて、今やオンライン証券という革新的だったサービスが一世代前のサービスのようにも感じられます。
ただ、突き詰めていくとこうした新しいサービスも、まだ資産形成の域を出ていないように思われます。言い換えると、資産活用にはまだロボアドは進出できていないということです。資産活用と資産形成、この違いはかなり大きいものだと思っています。資産形成は、資産のないところから資産を作り上げていく作業です。住宅取得の資産、子どもの教育資金、老後の生活費等をゴールにその必要額に向けて資産を作っていくことです。
資産活用には人のアドバイス
これに対して資産活用は、出来上がった資産をどう使っていくかということになります。合同会社フィンウェル研究所の目指すところは、この資産活用を見つめることですが、資産活用は運用を続けるだけではなく、どうやって資産を取り崩すかも大きな課題になります。資産活用はこの2つの側面を合わせてみていく必要があるうえに、当事者は加齢に伴って、認知・判断能力が低下するために、ここにこそアドバイザーの力が必要になるのです。
残念ながら資産活用のためのロボアドはまだ登場していませんので、ここにこそ人が介するアドバイスの必要性と重要性があるのです。
今回から、ブログ「私の心情」にサブタイトルとして“資産活用アドバイス”と題したコメントを収載していこうと思います。ちょうど今、英国でのIFAに関してデータを集めていますので、これを折々盛り込みながら、思いを綴っていきます。