私の心情(113)―お金との向き合い方37-DCの受け取り、19年化に追い込まれて
私の心情108で、企業型DCの残高をiDeCoに移換できるかもしれないことを書きました。2022年5月になると、加入年齢が65歳まで引き上げられるので、現在運用指図者とそして保有している資産をiDeCoに移換することができるというわけです。それで喜んだのですが、その一方で「一括引出する際に必要となる退職所得の源泉徴収票が前年以前19年にわたって必要」という改正が2022年4月に適用されることになり、大慌てでした。
で、いろいろ考えた結果、現在運用指図者として保有している資産を、2022年2月初旬に退職所得として一時金として受取をすることに決めました。そのプロセスで分かったことをメモっておきます。
源泉徴収票がないと引出額の20.42%を課税
退職一時所得として (老齢給付金(一時金)として) 受け取る際には、他の退職所得がある場合には遡って源泉徴収票を提示する必要があります。現在は前年以前14年間というルールでした。そのため、2019年4月末で定年を迎えて企業型DCの加入期間も終わったときに、フィデリティ投信の退職所得の源泉徴収票だけではなく、2006年夏に退職したメリルリンチ日本証券のそれも必要だったのです。その時点で後者が見つからず、そのまま申告すると、DCからの引出額には20.42%の所得税がかかるとのこと(その後、還付ができるかどうかは税務署に相談)。
遡って申告する「他の退職所得を受け取った年数」が2022年4月から19年に延長
そこでメリルリンチ日本証券での退職所得の源泉徴収票は不要になる2021年まで運用指図者として運用を続けることにしたわけです。そのうち、iDeCoの加入資格が65歳まで伸びる話が浮上し、これを利用しない手はないなと思ったわけです。しかし、その一方でこの14年が19年に延長されることになり、2026年まではメリルリンチ日本証券での退職所得の源泉徴収票が必要になってきます(心の声:それは加入上限の65歳ではなく、私の場合、67歳!)。
運用指図期間は勤労年数にカウントされない
退職所得として受け取るための所得税の計算では、受取額から退職所得控除を控除して、残りの金額の半分に税率をかけて所得税を計算します。ところが、退職所得控除を計算するための勤続年数では、フィデリティ投信での勤続年数13年はフィデリティ投信での退職金の受け取りで使っており、DCの受け取りではその後の勤続年数が対象となります。一般にDCは拠出期間は勤続年数に換算されますが、運用指図者ではカウントされません。なので、このDCの一括受け取りには勤続年数は0年で計算されます。その場合、一律80万円が控除額として使われます(心の声:少ないな~)。
2月10日が受付の最終日
公的年金等控除による節税分と一時金で受け取る場合の節税分のどちらが大きいかを計算してみました。あまりに変数が多いので絶対にどちらが良いとは言えませんが、私の場合はどうも後者の方がメリットが大きいように思えました。それに、受け取った資金はそのまま運用に回せばいいかなとも思っています。ということで一時金で受け取ることにして、運営管理機関に連絡をしたところ、「遡る期間を14年として適用できるのは2月10日までに書類を受け付けなければ処理ができません」とのこと!新制度は4月からなので、ほぼ2か月近く前に問題のない書類一式(これがなかなか大変!)を運営管理機関の該当部署が受付印を押せるように届けなければなりませんでした。
必要書類一式
必要となる書類は、私の運営管理機関では、
- 裁定請求書(一時金)
- 印鑑登録証明書―裁定請求書に実印を押すことになるためその証明です
- 退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
- マイナンバー確認書類
2年弱iDeCoに加入して運用可能に
ところで、5月になればDCの加入資格が65歳に引き上げられますから、改めてiDeCoに加入することができます。5月には63歳になっていますから、私の場合には65歳になるまでの2年弱しかありませんが、新たに加入することを検討してみたいと思います。加入要件の「厚生年金被保険者か国民年金の任意加入者であること」は、現在、合同会社フィンウェル研究所で厚生年金に入っていますから問題ありません。また「年金を受け取っていないこと」の要件は、64歳の1年だけ「特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分」を受け取っても、これは年金の受け取りに該当しないとのことで、こちらもクリアです。
大切な教訓
多くの方が転職をされる時代になりましたが、大切なのは、そのたびに「退職所得の源泉徴収票」を大切に保管しておくことです。わが身からの教訓です。