私の心情(9)-地方都市移住アンケートーその2 「60代になると移住を検討し67歳で実際に移住」

地方都市移住のレポート

まあなんと、自分でもあきれてしまいますが「アンケート調査の分析は趣味みたいなものなんだ」と実感しています。今年はちょっと理由もあって年末年始は外出をせず家でゴロゴロしていましたが、そのなかでも昨年11月に実施したフィンウェル研究所初のアンケート調査「東京・名古屋・大阪居住者とそこから移住した人に聞く地方都市移住アンケート」の第1弾分析を済ませることができました。やったー!。せっかくの休みだというのに!と思われる方もいらっしゃるでしょうか。これが「趣味です」という所以でもあります。

さてその内容を今回からこのブログで5回に分けて連載します。といってもデータ分析のレポート(上記にリンクを貼りました)は毎回同じものを収載しますので、初回でデータ分析レポートをみていただければいいかもしれません。ただ、ブログではそのデータの持つ意味や私の感想を書き綴っていこうと思っています。

さて初回は地方都市移住の概要です。今回のブログでは、「以前、東京、名古屋、大阪に住んでいて今はそれ以外の地方都市に移住した306人」と「現在この3大都市に居住して地方都市移住を検討している人536人」を比較してみます。レポートのP5をみていただくと、移住を検討している人の年齢で最も多いのが60歳、また60-64歳で63%を占めています。一方、53%がまだ働いているので、「60歳で定年を迎えてまだ継続雇用だが、地方都市への移住を考え始めている」というのが移住を検討している人の実像のようです。

これに対して、実際に移住をした人の年齢をみると最も多いのが67歳。53%が65歳以上ということですから、実際の移住は60代後半になってからということでしょうか。何となく、腹に落ちる実態ですね。当然、この年齢になるともう働いている人は少なくなります。4分の3の人が無職です。移住した人は夫婦世帯が51.3%を占め、子どもが同居していると移住は難しいことも分かりました。

移住先として検討した都道府県、都市を列挙したP7の表を見ていただくと(移住を検討中の536人が挙げた候補)、やはり定番のところが上位に挙がってきました。都道府県別では沖縄、北海道、長野、神奈川、静岡が、都市別では、那覇、札幌、京都、仙台、横浜がトップ5です。ただ、実際に移住した人306に聞くとトップ5は横浜、札幌、神戸、京都、伊東でした。那覇に移住している人は3人でしたので、これから移住する人が増えてくるのかもしれませんね。また長野県や静岡県が都道府県別では上位に挙がってきましたが、県内の複数の都市の名前が挙がってきており、かなり分散されているようです。

地方都市移住アンケートの第2弾は個別インタビューを想定しております。定量分析にヒアリングをもとにした定性分析も加わることで、さらに面白い知見が見えてくると期待しています。